犬の肉を食べて2週間!タイの山奥に行って「アカ族」と暮らしてきた

こんにちは。もりぞーです。

突然ですが、僕はタイが大好きです。

タイ・クラビ

時は「2015年、夏」

当時は3ヶ月間、タイの南から北まで放浪していました。

放浪しながら何をしていたかというと、たとえばタイの学校で英語の先生をしていたこともありましたし、

タイ学校

「タイマスター」という映えある称号も(個人的に)いただきました。

そんなタイが好きな僕が、タイで体験した中で一番びっくりした体験がこちら。

タイの少数民族と一緒に 2週間毎日「犬の肉」を 食べ続けた

そう、犬の肉を食べてしまいました。それも2週間、毎日。

舞台はこちら。

アカ族

出典:アカ族就学支援基金

「アカ族の村」です。

アカ族とは?

アカ族はタイ北部の山岳民族を象徴する民族。国境付近に多く住み、ラオス、ミャンマーにもいる。もともとは中国南部にいたが、タイに来たと言われている。(参照:アカ族の基礎知識

「民族衣装だ!」

「ガチ民族だ!」

「国境とか、思いっきり山じゃん!」

などなどさっそく思われているかもしれませんが、実はまだそれは全体の驚きの数々のうちの、ほんの一部。

犬の肉だけで、驚くことなかれ。

「ぬるま湯ジャパン」にどっぷり浸かってきた僕にとって、まさにカルチャーショックの嵐でした。

今回は、そんな驚きばかりの場所「アカ族の村」に行って、2週間どっぷりと暮らしてきた話をしたいと思います。

目的地は町から車でさらに5時間!クラクションを絶えず鳴らしながら山奥へと進む

アカ族の住む村は、タイの北部の都市・チェンマイから、またさらに北へといったところにあります。

現地NGOとして活動をする日本人の方から紹介を受けて、今回はいけることになりました。

タイ地図

チェンマイからプラオという小さな町までいって、それからアカ族の村へ行くのが今回のルート。

ローカルバスに乗ってチェンマイから2時間ほどかけて向かいます。

タイ-プラオ

プラオの小さな街に到着。

その後、迎えにきたホームステイ先家族と合流できました。とってもやさしい笑顔です。

タイ・アカ族家族写真

普段から、先ほどの民族衣装を着ているというわけではないんですね。

食料品の買い出しを町ですませてから、アカ族の村へと向かいました。

アカ族

(実際の車とは異なりますが、こんな車で、こんな道でした。ちなみに写真はタイの南部にて。)

大変だったのは、それから。

山奥へと向かうにつれて曲がり角が多くなり、死角ばかり。道は未整備でガタガタ、カーブミラーはなし。

そんないつ車とぶつかるともわからないため、運転手のお父さんは30秒に1回のペースで絶えずクラクションをならします。

しかも、「霧で死角が真っ白」。こわすぎです。

霧

(やっぱりまた写真がないので、代わりにフジロックのドラゴンドラ登りきった山の上の微妙な霧っぽい写真)

「もうすぐつくよ〜〜」

と運転するお父さんが言った

ちょうどそのあと、

一気に景色が、

アカ族

晴れたー!!!!!!!!!!!!!!!!!!

集落みえるー!!!!!!!!!!!!!!!!!!

そして、

アカ族

ついたー!!!!!!!!!!!!!!!!!!

やったー!!!!!!!!!!!!!!!!!!

(遠かった……)

というわけで、町から5時間以上もかけてようやく「アカ族の村」へとつきました。

とにもかくにも、山奥すぎてびっくり。

アカ族

アカ族

アカ族

(大自然や……!!)

ついてさっそく「犬の解体ショー」の洗礼を受ける

「やっとついた〜!!」と思って車から降りると、待っていたのは集落の若い男性たち。

ずいぶんとニコニコとしていたので、なんだろう?と思ったら、車の荷台から大きな袋を下ろすではないですか。

その袋は、「なんでこの袋、こんなに動いているんだろう??」と来るとき思っていたもの。なんとその袋に入っていたのは、「犬」だったのです。

「犬」だったのです。

「犬」、どうするの…??

それからすぐさま始まったのが、「犬の解体ショー」。

カジキマグロではありません。犬です。詳しくは野良犬です。犬をさばいていきます。

※「かわいいわんちゃんを食べるなんて信じられない!!」「道徳的によくない!!」みたいな話はたしかにあると思いますが(たしかに僕の大好きなピカチュウが食べられてしまったらサトシのピカチュウじゃなかったとしてもそれはたしかにずいぶんと悲しいものだ)、現場にいた僕としては、「こういうものなのね」とただただ受け入れていたことを思い出します。郷に入りては、郷に従え。ちなみに僕はその村にたどり着くまでにいろんな動物(にわとりなど)の解体ショーを見てきたこともあって、見ていられないということはなかったので、まじまじと見ていました。そんなに嫌悪感とかはないですね。一応人間の心をもっていますが、けっこうにぶい点についての指摘ままあなるほど、ごもっともだなあとも思います。というわけでここらにて「犬食べる問題」についてはひとまず思考をやめていただいて、この先に進んでいただけたら幸いです。

3、4人がかりで、手つきよく進んでいくのは見ていてずいぶん驚きでした。うますぎる。慣れてるなあ。村のみなさんは、談笑しながら何やら楽しそう。

そんな雰囲気で、犬の解体ショーが終了。

さばいた犬の肉は、さっそくみんなに手渡しで配られていきました。

「こんな感じなんすね……」とさっそく初日からびっくりしたできごとでした。

結局「犬肉」を2週間食べ続けることに

タイ台所

(台所の写真)

台所はこんな感じ。

ここで先ほど切り分けた犬の肉の調理がなされています。

実際に食べた味はどうだったかというと、

「牛肉の硬い版」

とでもいいましょうか、それはそれでおいしい味です。

牛肉

(写真はイメージです:Photo by Armando Ascorve Morales on Unsplash )

スープに入れたり、焼いて食べたりします。

ちなみに、冷蔵庫はないんでとりあえず火を使うところの上にぶら下げて乾燥させてなんとか保存を効かせるようにしてました(なかなか不安)。

「犬肉食べるなんて、初日から貴重な経験やな……」

と感慨にふけっていましたが、まさか結局2週間毎日それから食べ続けることになるとは……。

どうやらアカ族のみなさんは日常的に犬の肉を食べる習慣があるみたいですね。

2週間毎日食べ続けた感想としては、「またもう1回食べて見るのは全然アリ」です。

なぜアカ族は犬肉ばかり食べているのか

そんな毎日食べるほどアカ族では日常食化している犬の肉。

なぜ、そんなに食べられているのかというと、アカ族の住む山奥では牛や豚などの肉を手に入れるのが困難だからです。

アカ族に詳しい「アカ族.com」というサイトにも、「アカ族の村でも、昔から貴重な動物性タンパク源として、「犬の肉」が日常的に食べられている」(『犬は善人と悪人を見分けることができる』)とあります。

もちろん市場から犬以外の肉を買ってくることはできますが、先ほど述べたように片道5、6時間の険しい道を車で進まないと行けないほど遠いため、近くに生息する野良犬を食べ始めたのだと推測します。

豚や牛は食べられない?

結局豚や牛は食べるのを目にすることはありませんでしたが、決して宗教的な理由とかで「食べない」というわけではありません。

事実、家のとなりにあった豚小屋の豚は「食用」でしたし、そういえば「これは俺がとってきたんだ」と言われて鹿の肉をいただいて食べたこともありました。

というわけで、アカ族にはあえて食べてはいけないものがあるわけではありません

ちなみに、犬肉はアカ族の「儀式として食べる」という側面があるみたいです。

犬を食べるのも事実だが、日常的にのべつ食べているというわけではなく、これも精霊に捧げる生贄という位置付けで、特定の儀礼の際によく食べられる。(出典:アカ族の基礎知識

ふーむ、なるほど。

犬肉の世界、めちゃくちゃ深いですね……。

人生で初めて「セミ」を食べる

それでは犬肉以外の話もせっかくなのでしていきましょう。

こちらは日常食というわけではありませんが、人生で初めてセミを食べました。

夏の風物誌の、アレです。

セミ

(Photo by Lucas Lenzi on Unsplash 

ある日のこと。

お父さんと外で身振り手振りで頑張って話していると、目の前の木にセミが止まりました。

するとお父さん、足元の木の枝を手に取り、セミをバシッ!!と華麗に叩き落とすではありませんか。

その落ちたセミを拾い上げてお父さんはひとこと、

「食べる?」

と。

条件反射で思わず「食べます……!!」と答えたら、囲炉裏にひょいっと投げ込んで、香ばしく焼けた頃合いを見計らって手にとって……

……くれました。

はい、味は「えびみたいでけっこうおいしい」でした。

どんどん味覚の幅が広がっていきますね。

味付けは全部「ザ・味の素」

食関連で他に驚いたことといえば、味付けは「ほとんど全部」と言っても過言ではないほど「味の素」ベースの味付けが基本でした

こちらはタイの味の素のCM

そう、タイの味の素は、日本の味の素の会社が作っているものなんです。日本のものとは少し味わいが違っているのは、タイ人好みの味に少し変えてあるから。

それを、ドバドバと豪快にフライパンにいれる姿は圧巻でした。

ホームステイ先以外の家庭のごはんをいただく機会も多かったのですが、やっぱり味の素は主流みたい。

とまあ、ごはんの話はこんなところです。

会話のパターンは3つだけ?2ヶ月頑張って覚えたタイ語が使えない事件

会話が、大変でした。

アカ族

(赤ちゃんをあやすお母さん。)

シップラン村にいくまでに2ヶ月間、タイの南の山奥でタイ語を話していたので、「タイ語は大丈夫だろう」と思っていました。

しかし、なんと通じず。

2ヶ月頑張って覚えたタイ語が全く使えませんでした。なぜならアカ族はアカ族の言葉で普段話しているのです。

そのため、それまでであれば「あの単語使っているから、こんな話題かな〜」ということがなんとなくはわかっていましたが、このときばかりはみなさんアカ族の言葉で話していたので会話の内容はさっぱりわからず。

もちろん英語は誰も通じません。

とはいえホストファイミリーは「タイ語はいちおうできる」人たちだったので、タイ語を話して聞いてもらう、ということはできました。

というわけで、普段の会話はどうなったかというと、

  • 「おはよう」(あいさつ)
  • 「この名前は?」(名前をきく)
  • 「めっちゃおいしい!!!!!」(”おいしい”を全身で表現する)

3パターンだけとなりました。

・例①(起床後、台所にて)

「おはよう」「おう、おはよう」「…ここに置いてあるもの、なんていうの?」「これは ”jらげろ@ば” っていうんだよ」「”あえrjご” ??、へえー…!!」

・例②(食事中)

「いただきます」「もぐもぐ」「お、これおいしいですね!」「おおー、そうか!よかった!」「……」「……」「「……これも、おいしいですね!」「辛くない?」「はい、辛くないです!」「……」「……」「「……これも、おいしいですね!」「……」「……」「「……これも、おいしいですね!」

「最低限のボキャブラリーだとこうなるのか」という新たな発見がありました。

アカ族

(やむなく子どもと一緒にタイ語を勉強していました。)

ついに体調を崩す

そんなこんなで原因不明の風邪を引きました。

アカ族

「もうダメか」

……と、ここまでで終わってしまうと「タイの山奥で体調を崩して危篤状態となった!」という悲劇の記事となってしまうところですが、ご安心ください。

倒れている間、食事も犬肉以外にもいろいろ食べてましたし、毎日寝てましたし……

とにもかくにも、3日間全力で休んでました。

そして無事、元気になりました

アカ族にて

誤解のないように、もう少し日常生活で楽しかった話をすると、事実、滞在期間のほとんどは家事を手伝ったり、現地の人と一緒に山へ行ったり夜は集落の集まりに参加して一緒にごはんを食べたり、なぜかキリスト教が栄えていて週末はミサで聖歌を歌ったり……というように楽しい日々を送っていました。なんどもいいますが、安心してください

「ほった穴に木をうめて!」建築方法が雑すぎた話

体調がよくなった後のある日のこと。

家の建築作業を村のみなさんと一緒にすることになりました。

すると、簡単(雑)すぎました

「どうやって、家って建てるんですか?」と聞いたところ、

「ほった穴に木をうめて!」(※ジェスチャーにて)

という返事が。

ほった穴に木をうめるとは、

「穴を掘って、木を埋める」

ということです。

なるほどな……?

アカ族

(実際の様子)

とはいえ、アカ族の村では、それで大丈夫なんです。

別に、雑じゃないです。

なぜなら、日本みたいに地震も起きないので基礎をつくる必要なんてありませんし、実際に同じ方法で集落の家屋は建てられています。

日本だと当たりまえのはずだったことでも、ここには別の当たりまえがあるんですね。

話はそれますがこの写真、右に立つおじちゃんが「めちゃくちゃさまになっているなあ」さっきから思っているのですが、共感していただけますでしょうか……??

よく見ていきます。

アカ族

もっと近くへ

アカ族

さらに近くへ

アカ族

なにやら勇ましい。

まるで、「男はつらいよ」の寅さんみたいにも見えてくるから不思議です。

(左・タイのおじさん/右・寅さん)

アカ族のみなさんとのお別れ

いろんなことがありましたが、ついにアカ族のみなさんともお別れの日が来てしまいました。

「会話のパターンは3種類」だのなんだの書きましたが、それだけで楽しく過ごすことができたんです。ホストファミリーのみなさんに、村のみなさんにと、本当にお世話になりました。

言葉が通じない分、外を歩いていて目があったときに笑ってくれるだけでこんなにもうれしいんだなと。

タイ_夕日

というわけで、さみしい気持ちでふたたびクラクションを幾度となくならす山道を下りながら帰りましたとさ。

まとめ

タイの「アカ族の村」に行って、2週間どっぷりと暮らしてきた話は、ひとまず以上となります。いかがでしたでしょうか?

お別れの瞬間に限らず(いろいろと)写真にこそ収めそびれましたが、2週間慣れ親しんだ村は今でも折に触れて絵の浮かぶ、思い出の場所。

タイ学校

実際に2週間という期間住んでみたことで、数日の滞在だけでは味わえないアカ族の魅力について多く知ることができました。

これだから、旅やじっくりと地域のことを知ることはやめられませんね。

書き終えた今としては、ぜひまた犬肉でも食べに帰りたい。そんな気分です。