「この9年、そういう考え方とずっと戦ってきた」the HIATUSのライブとこれまで

the HIATUS

学校の帰り道に本屋で、いつものように手に取った音楽雑誌を開いた。「新しいバンドが結成された」とある。今、この瞬間にも新しいバンドはどんどんと生まれている。だから「新しいバンド」が結成されることは、特に目新しいものではない。

ただ、初めてそのバンド名とメンバーの写真を目にしたときから「真新しい」と感じたバンドがいた。そのバンドの名は「the HIATUS」といった。

ーーあれから9年。初めてthe HIATUSのライブへ訪れた。場所は恵比寿Garden Hall。

恵比寿ガーデンホール

(近くの恵比寿ガーデンプレイスはずいぶんときれいだった)

「Monochrome Film Tour 2018」のツアーセミファイナル。友人から運良くいただいたチケットで来ることができた。

the HIATUS

(会場のようす)

初めて生で聴くthe HIATUSは、言葉をそれはもう容易にすててしまうほど。いわゆる「洗練とされている感じ」と評されることの多いthe HIATUSだけれども、実際目にしてみると、唸るような、そして肉体的な強さを、とんでもないくらいに感じる。

「テンポが速ければいいんだろ?ギターが歪んでいればロックなんだろ?この9年、そういう考え方とずっと戦ってきたんだ」

ーーそうステージで語る細美武士を見ながら、the HIATUSの初期の頃のインタビューで、本当に苦しみながら曲を作っていた話を読んだことを思い出した。

the HIATUS

(2009年のファーストアルバムがリリースされたときに表紙をかざった『ロッキング・オン・ジャパン』。結成にともない細美にされたインタビューを読んだのはこの号だったかどうかは定かでない)

the HIATUSは、そもそも編成からして不思議なバンドだ。元・thee michelle gun elephantのベースのウエノコウジに、toeのドラマーの柏倉隆史など、それぞれを知る人なら「え、そんな組み合わせ?」と言いたくなるくらいの畑の異なるメンバーが集まっている。今じゃ「お互いの音と音とのぶつかり合いが最高だ」なんて言えるのだけども、当時はきっと「それぞれがどうはまるのだろうか」と悩むところもあったのだと思われる。

「ELLEGARDENは好きだけど、ちょっとthe HIATUSはピンとこないなあ」ともらす友人も多いくらいに、細美武士が所属していたELLEGARDENとthe HIATUSはなんというか、タイプが違う。わかりやすく言ってしまえばテンポが早く、レスポールの歪んだギターが印象的だったのがELLEGARDENで、その反対がthe HIATUSみたいな捉え方がたぶん一般的なんだと思う。

僕がthe HIATUSから感じる「強さ」は、きっと「テンポが早い」「ギターが歪んでいる」みたいな有り体な「強さ」ではなくて、そんなステレオタイプなロックの対局にあってもロックを鳴らそうとする、強い意志なのだろう。実際にthe HIATUSの音楽は、テンポとかギターの歪みとかなんて関係ないくらいに最高にロックであることを証明してきた。音楽的なトライをくりかえしながら、いつもレコードから新しい景色を見せてくれた。

ライブも後半。

「当時作った曲のタイトル、『Insomnia』(不眠症)だぜ?(笑) 「助けて、助けて」っていう(笑)。今じゃ『Life In Technicolor』(極彩色の人生)なんて曲を作るようになったんだなあ。10年間どうもありがとうございました」

と言ってから、まだレコードでは発表されていないが最近のライブで演奏されている新曲『Life In Technicolor』が始まる。「極彩色の人生」というように明るい感じの曲だ。

ステージは2度のアンコールがあり、「では、お待ちかねの”不眠症”を」と言って、最後に『Insomnia』が満を辞して投下。「Save me」の大合唱で会場は包まれながら、ツアーセミファイナルの幕は下された。

恵比寿ガーデンプレイス

今頃はツアーファイナルが終わった頃だろう。これほどまでに「もう10年か」と思ったことはあったかなあ。またライブで観れる日が楽しみです。