やよい軒における「ごはんのおかわり」という儀式について。

ごはん

「やよい軒」という、言わずもがなと知れた定食屋によく行く。特に何がおいしいとか、特別安いとかはないのだけれど、一点だけ特徴があるとすれば、「ごはんのおかわりが無料」だということだ。ただその一点のみによって、「やよい軒」が好き、という人は意外に多いかもしれない。

今日見たおじさんなんかはすごかった。なんせ、意気込みがちがう。まず、定食が届くとすぐにしょうゆをごはんに回しかけ始めた。ぐるぐると、3周ほど。そして、しょうゆがこれでもかとかかったごはんを、一気に平らげる。

そして食べ終わるか終わらないかというタイミングで席をたち、ごはんのおかわりができる炊飯器へと向かう。学生のように「われさきに」という急ぐのではなく、落ち着いた足取りで。しかし、その表情をみるとなんとはなしに「早くおかわりがしたい」という気持ちが伝わってくるようだから不思議だ。

さて、2杯目、3杯目と、次はさすがにしょうゆはかけずに、定食のおかずと一緒にごはんを喰らう。もぐもぐ、もぐもぐ。僕は席をひとつはさんだとなりで、同じタイミングで食べ始めたのだけど、結局僕が一杯食べ終わるころにはそのおじさんは3杯平らげてしまっていたから驚いた。

そのおじさんだけではない。「やよい軒」へくる人を見ていると、ごはんのおかわりという儀式を本当に楽しんでいるように見える。たぶんこれは、お店の人がついであげるようになると、おかわりの満足度は下がってしまうんだろうなあ。「やよい軒」に限ってはね。

そんなわけで僕もいつも、自分でごはんをつぐことのできる「もうちょっとのおかわり」を楽しみに、毎回行っているんだろうなあ。なんてことを、ごはんをおいしくほおばるおじさんを横目に、少しこげついてしまった味噌かつ煮定食を食べながら思ったのでした。