『今日の宿題』、という本がある。どうやら今では売られていない本らしい。
本屋B&Bにて昔売られていたので買った本。毎ページごとに様々な「問い」が書かれている。その厚さは約660ページにも及ぶ。
谷川俊太郎さん、川村元気さん、菅付雅信さんなど、多くの著名な人の「問い」は、じらしたような質問もあれば、まっすぐな質問もあれば、クスッと笑ってしまうような質問もある。
たとえば、これ。
あなたの大切なことの中で一番些細なのはどんなことですか?
こんなシンプルなものもあれば、質問というよりかは、投げかけられた「問い」みたいなものもある。
詩は考えて言葉を選ぶよりは、私の場合、
考えずに言葉が浮かんでくるのを待つことのほうが多いのですが、
一日一行でも二行でも言葉を連ねることができたら、
それからは推敲を重ねるしかありません。
推敲には意識下からのものもありますが、
rethinkと呼ぶのがふさわしい意識的な経過をたどることが多い。
推敲は言ってみれば、沢山ある答=可能性の中から
一つを選ぶことでもあります。
その一つが正しい答であるとは限りませんが。
こういうrethinkは日常生活の中でも、
気づかずに誰もがしていることではありませんか?
とまあ、「問い」はやっぱり面白い。何年たってもクイズ番組が根強く人気なのもわかるくらいに、「問い」には思わず動かされてしまう作用がある。
昔学校の先生が「テスト勉強よりも難しいのは、問題をつくることなんだ」と言っていた気持ちはよくわかるような気がする。僕らは質問に対して答えを差し出すことにはなれているけれど、「問い」をつくることはなんとも難しい。それだけに「問い」は尊い。
「本よりも音楽の方がおもしろいよ」と言う友人や、
「本なんて映画以下だな」と言う家族に、
返す言葉はありますか?
この本は買って以来、いつも枕元に置いている本だ。
時々、寝る前にふとパラパラと開いては、気になったページを読み、眠る。
この先もきっとしばらく枕元の一軍にいることだろう。