「成功哲学」とうたわれる本をあまり手に取らないのは、どうしても「こうすることが鉄則だ」のような原理原則を学ぶように読む、という姿勢をとらざるを得ないことが多いからだ。
ただ、鳥井さんのブログで紹介されていたことと、ブログ内にも紹介あるように、クラシコムの青木さんが取り上げていたことがあいまって、気になって読んでしまった。
「北欧、暮らしの道具店」を作った本:通信販売編『インターネット的/糸井重里』など3冊 – クラシコムジャーナル
どんな本かというと、女性下着のカタログ誌『PJ』をつくるピーチジョンという会社の社長の野口美佳さんが書かれた本なのだけれども、「通販」についてこれでもかとリアルを投げてくるような本だった。
「カッコよさ」より「わかりやすさ」という話がある。
クリエイティブな人たちの考える「カッコよさ」は、トレンドの最先端にいわゆる境界人やアパレル産業の人たちのためのもので、「手が届きにくい」。実はこの「手が届きにくい」ことが「自分たちだけが知っている」となり、そのことが「カッコよさ」の正体でもあったりします。だから「カッコいい」クリエイティブは、大衆に受け入れられないのです。
どうしても「カッコいい」ものを作り手としては目指してしまうのだけれども、ある種「カッコわるい」と思うような「わかりやすさ」が大事、という話は、本を読んでからもよく思うところ。
そんな「フィット感」にまつわる試行錯誤について、成功以上に失敗の話が多く語られている本でもあるような気がする。「失敗を踏まえた成功哲学」ほど、ためになるなあと感じるにいたった。
◼︎今回紹介した本↓