2021年10月15日〜11月15日|「為すべきを為す」戦士の真髄

2021年10月15日〜11月15日|「為すべきを為す」戦士の真髄

Created
October 18, 2021
Tag
Essay

10月15日

新卒で入社し、3年半勤めた会社の最終出社日を迎えた。最終出社日が近づけば多少落ち着くだろう……とおもっていた仕事が落ち着くはずもなく、当日となった。当日のお昼すぎ頃、ようやく落ち着きはじめ、急に実感が湧いてきた。そしてオンラインで全社員に向けた終礼を行い、部門のメンバーと話し、1日が終わった。

(くわしい話はこちらにまとめた↓)

上記noteにも書いたように業務委託として引き続きもろもろ携わらせてもらうのだけど、それでも節目としての実感はおもった以上にあった。これは働き方以前として、どこのポジションでどう動くか、という役割に応じて心持ちは変わってくるという話かもしれない。たとえば野球であればピッチャーは守りのときは投げることに100のエネルギーを注いでいるけど、他のファーストや外野手は50−60のエネルギーを注ぎ、攻めの回のときに120のエネルギーを注げるようにしている、そうしたときに気持ちの準備や、エネルギーのバランスはポジションに応じて変わってくるように。

おそらくこれからは、エネルギーの”注ぎ方”が重要になってくるのだろう。また野球のたとえで申し訳ないのだけど、100がんばったからといって、試合に勝てるというわけではない。50のがんばりでも力の使い方次第で試合に勝つことだってできる。なんならその余った50のエネルギーは別に使うことだってできるから、限られたエネルギーを使う量は少なくおさえられた方がいい。

また、エネルギーの”注ぎ方”=”工夫”がわかると、それは他の人にも使ってもらうことができる。1×1を2以上にすることができることだってある。そこまで体力がある方ではないので、なおさら”工夫”の技術は育んでいけたらなとおもう。

11月15日

11/1に新しい職場で正社員として仕事をスタートして、半月が過ぎた。多くの時間をかけられるようになったものの、多くのやるべきことを目の前にすると1人が割ける時間など本当にわずかな時間であり、チームとして取り組むことの意義をあらためて感じる。総合格闘技のような日々で、誰が何をやっているのかを知りながら、すでに人に自分が何をやっているかを、人に伝わりやすい形で伝えることが難しいと感じていたが、このnoteを読み、情報の整理と発信による企業価値の向上というサクセスを目指す取り組みは「コーポレートサクセス」という言葉につながると思った。

「サクセスに挑む」といえば、最近旅行先で観たジミーチンの山岳ドキュメンタリー『MERU』である。『MERU』を観始めたことをきっかけに、次いで『フリーソロ』と登山・クライミングに挑む人の映画を立て続けてに観た(全然関係ないが、間に『フリーガイ』も観た)。クライミングは結果が目立つが、どちらもその挑戦するまでの過程が丹念に描かれていたのが印象的だった。クライミング中よりも、クライミングに挑むまでの苦難や、迷いに何度も息を飲んだ。『MERU』がトロント国際映画祭·ドキュメンタリー部門のヘッドプログラマー、トム·パワーズをして「今年の映画祭公式作品の中で、最もすぐれたサスペンス映画」と言わしめたほど。

人類史上最大の挑戦と呼ばれる前人未到のクライミング『フリーソロ』に出演する、米カリフォルニア州出身のフリークライマー アレックス・オノルドは、1度失敗した巨岩エル・キャピタンに再挑戦する車内でこう語った。

📖
戦士になるんだ 大義など必要ない ただ最善を求める道だ 恐怖と対峙して初めて到達する 戦士の真髄だ

クライマーと聞くとその挑戦する勇気や、情熱が連想されるかもしれないが、アレックスはそれとは対極的だ。正確に物事を捉え、最善にフォーカスする姿勢そのものが上記の言葉に詰まっている。

ゴールを目指す過程では、ノイズは少なければ少ない方が望ましい。「誰のために」「何をなすべきなのか」「どんな未来を実現するのか」「使命は何か」。そういった“大義”に定期的に立ち返る必要があることは言うまでもないが、”今・ここ”に集中すべきタイミングで考えるべきことなのかというとそうではないケースがほとんどだ。無理にやろうとしたり、大きく望むのではなく、置かれる立場や現状の中ですべきことをする。きっと”為すべきを為す”というシンプルな言葉に落ち着くのだろう。